紫外線にご用心

(1)まず日焼け予防

 心地よい季節。この時期やってしまうのが「うっかり日焼け」だ。5月はもう紫外線が強いが、対策を忘れがち。シミやシワの原因になり、日焼けを繰り返すと皮膚がんの危険性も高まる。


 ひふのクリニック人形町(東京都中央区)院長の上出良一さんによると、紫外線で皮膚のDNAがダメージを受けることで日焼けをする。普通は、ダメージは修復され、その際、炎症が起こるため、紫外線を浴びて少しすると赤くなり、ヒリヒリと痛む。


 赤い日焼けは2、3日で治まり、その後、黒色色素のメラニンが多く作られ、黒く日焼けした状態が数週間から数か月間続く。何度もひどく日焼けしたり、長年日光を浴び続けたりして大きなダメージが繰り返されると、皮膚がんの原因になる。


 水ぶくれができるほどの日焼けなら、やけどと似た状態なので皮膚科を受診した方がいい。


 受診前に、炎症を抑えて悪化させないこと。日焼け部分をなるべく早く、冷たいタオルなどで冷やす。市販の消炎鎮痛剤を服用すると、赤みや痛みも和らぐという。


 それでも治まらない時は、皮膚科でステロイドなどを処方してもらう。上出さんは「浴びた紫外線を、なかったことにはできない。日焼け予防が最も大切」と話す。


 人体に欠かせないビタミンDの生成のため、以前は日光浴が推奨された。今は、一般的な日焼け対策をした後でも十分な紫外線を受けられていると考えられている。


(2)顔の日焼け止め、優しく塗る

 日焼け止めは年齢によって塗り方にコツがある。


 資生堂の調査で、年齢を重ねるほど塗る力が強く、指先で細かく塗る傾向があることがわかった。同社の中山三佳さんは「肌のハリがなくなってくると、塗り広げる時に皮膚が波打って、シワになりやすい所に、塗りムラができる」と話す。


 顔に塗る時は、若い人ならポイントを額、鼻、両頬、顎の5点に置く。50歳代頃からは、両えらの部分も加え、7点に置く。広い所から大きく、優しく延ばし、その後、小鼻や生え際なども押さえ、最後に顔を手で覆うように、フェースラインに沿って下ろすと、ムラなく塗れる。顔も体も、2〜3時間に1度、塗り直すといい。


 日焼け止めのベタベタ感が苦手な人もいるが、最近はサラサラタイプやスプレータイプ、敏感肌の人や赤ちゃんにも使えるタイプもある。肌をきれいに見せたり、美白成分が入っていたりするものも。好みに応じて選べる。


 皮膚疾患がある場合は、皮膚科に相談して使うこと。ひふのクリニック人形町(東京都中央区)院長の上出良一さんは「疾患があっても紫外線対策は必要」と話す。保湿剤や塗り薬の上から日焼け止めを塗るよう勧めることもある。


 最近の日焼け止めの多くはボディーソープで洗い流せるが、落とせていないように感じ、こすりすぎることがある。一度、肌を十分にぬらし、ボディーソープを直接、肌になじませた後、スポンジなどにボディーソープを泡立ててから洗う。肌に負担もなく、しっかりと落とせるという。


(3)目の保護も忘れない

 紫外線の影響は肌だけではない。見落としやすいのは目だ。


 はしだ眼科クリニック(東京都品川区)の院長、橋田節子さんは、子どもの頃から対策が必要だと指摘する。日本では子どもがサングラスをかける習慣はなく、学校の運動会も、紫外線が強くなる5月が多い。


 長時間、強い紫外線に当たると、角膜(黒目)に炎症が起こり、目が痛くなったり、充血したりすることがある。この場合は眼科を受診する。


 若い人でも紫外線を浴びる機会が多いと、「翼状片(よくじょうへん)になりやすい。白目が繰り返し傷つき、白目の下の細胞が異常に増えて黒目部分に入り込んでくる疾患だ。瞳孔部分に白目がかかると視力が低下する。手術が必要になるが、悪化した場合は、視力障害が残ることもある。再発することも多い。


 眼球の水晶体が濁る白内障の主な原因は老化と言われるが、紫外線量が多い地域で患者が多い。視界の中央がゆがんだり、黒く欠けたりする 加齢黄斑変性かれいおうはんへんせいも、紫外線が原因の一つと言われる。


 橋田さんは「視力がいい人ほど、紫外線から無防備になりがち」と懸念する。裸眼視力が悪い人は、メガネをかけることで紫外線をある程度防げるが、視力のいい人は、裸眼でいることが多い。


 コンタクトレンズの使用者も注意が必要だ。コンタクトが原因で目が乾燥することが多く、紫外線の影響を受けやすい。


 日傘や、サングラスを装着するなどで、反射する日光からも目を守りたい。(鈴木希)


[ 出典 ] 2017年5月29日 yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)による


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